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2022/7/15

素材についてのあれこれC -革-

家具に上質感を与え、使い込むほど味がでて美しさが増す革は、家具の他に財布、ベルト、靴などの小物から、車や飛行機など多くの製品に採用されています。身近な素材である革は加工方法により仕上がりが異なります。

MARUNI COLLECTIONでは、国内加工のマルニスムース、ヌメ革、そしてスカンジナビアの雄大な自然で育った良質な牛を使用するelmo(エルモ)社のelmosoftを採用しています。

【革の加工】

牛の「皮」から、製品の「革」へ加工するには20以上の工程があります。その長い工程の中から、仕上がりの分岐点となる3つのセクションをご紹介します。

分岐点1:鞣し(なめし)

皮を柔らかくし腐らないようにする「鞣し(なめし)」という加工工程です。@タンニン鞣しとAクロム鞣しの2種類の方法があります。

@ タンニン鞣し
植物から抽出した渋(タンニン)を使う鞣し方法です。タンニンには皮に含まれる動物性たんぱく質と結合して革を収縮させる働きがあります。工程に時間がかかりますが、皮への負担が少なくハリや硬さのある表情に仕上がります。MARUNI COLLECTIONで採用しているヌメ革は、タンニン鞣しの中でもピット製法を採用しています。ピット製法は24時間で仕上げるドラム製法と比較すると1〜2か月の期間がかかりますが、革への負担が軽減されます。またより美しい経年変化を見ることができます。

A クロム鞣し
時間がかかるタンニン鞣しの代わりに開発された金属化合物クロムを使った鞣し方法です。皮に含まれる動物性たんぱく質とクロムを化学反応させることで、腐敗や乾燥しない性質へ変化させます。加工時間はおよそ8時間で、大幅の時間削減になります。ハリや硬さのあるタンニン鞣しと比較すると、伸縮性とある程度の耐水性があるのが特徴です。

分岐点2:染色・塗装

革に色をつけるには、染料を使う「染色」と顔料を使う「塗装」の2つの工程があります。組み合わせによって、下の4種類に分けられます。

@ 無塗装
文字の通り無塗装で、タンニン鞣しを施しただけの革です。

A アニリン(染色のみ)
染料を使用して革を染色する方法。表層を覆い隠さないため傷やシワなどはそのまま表れ、革本来の質感が出るのが特徴です。色移りがしやすいため、マルニ木工の製品には使用していません。

B セミアニリン(染色と塗装)
染料で色をつけた後に、薄く塗料を吹き付けて表面を保護する製法です。わずかな顔料を使用した仕上げ。アニリン仕上げに似た革の風合いと、色移りや汚れへの耐性を併せ持っています。

C ピグメント(塗装のみ)
染料は使用せずに、塗料のみで色をつける方法です。塗膜が厚く小さな傷やシワは覆い隠されるため、均一できれいな表面に仕上がります。また鮮やかな色味が出やすいことも特徴の一つです

分岐点3:銀むき

銀むきとは、銀面(革の表面)をサンドペーパーで研磨して削る作業です。これによって毛穴や傷を削り取り、均一でスムースな表層ができあがります。

銀むきした革に対して、銀むきを施していない革を銀付き革、もしくはフルグレインレザーと呼んでいます。表面の毛穴・シワが残り、革自体の風合いを楽しむことができるのが特徴です。傷が少ない革を選ばなければならず、使用できる範囲が限られているため高価格になる場合が多いです。

【MARUNI COLLECTIONで採用している革の種類】

A) L-01ランク マルニスムース

クロム鞣し・ピグメント塗装・銀むきあり
ランドセルや自動車用の革を製造している長野県のタンナーに依頼しています。

サラッとした触り心地の革に仕上げています。“シボ(表面の毛穴・シワ)”を少し残すことで、革本来の質感も感じていただけます。

丈夫で質感も均一に仕上げているマルニスムースは、椅子に張ると高級感が増します。ピグメント塗装で表面をコーティングしているため、メンテナンスなどが不安な方にもお勧めの革です。革では避けられる事が多い水との相性ですが、硬く絞ったタオルなどで拭く程度は問題ありません。もちろん多くの水はNGとなりますのでお気をつけください。

B) L-01ランク ヌメ革

タンニン鞣し・無塗装・銀付き革
アパレルブランドに強い兵庫県のタンナーに依頼しています。

無塗装の銀付き革で、牛についた虫さされや傷跡、シミやシワなど革本来の質感がそのまま表れます。革ごとに違う表情や風合いを楽しめ、長く使い込むことで色味が変化していきます。

最初は肌色のようなクリーム色ですが、年を重ねるごとに味わい深く飴色なっていきます。椅子の木部と共に時の変化を楽しむことができ、他の張地にはない魅力を持っています。

無塗装のため水分に弱く、一度ついてしまったシミは消えることはありません。メンテナンスは採用革の中で一番手がかかりますが、革を育てることを楽しめる方にお勧めの革です。

C) L-02ランク elmosoft

クロム鞣し・セミアニリン・銀付き革
1931年にスウェーデンで創業したelmo社の革は、スカンジナビアの気候に恵まれた広大で豊かな牧草地で、高い家畜育成技術によって育てられた牛を使用しています。

elmosoftは銀付きのフルグレインレザーです。革本来の柔らかさと質感を残しつつ、表面を薄くコーティングすることである程度の耐久性を持たせています。発色はとても美しく家具馴染みのよい色をMARUNI COLLECTIONでは採用しております。

革では避けられる事が多い水との相性ですが、硬く絞ったタオルなどで拭く程度は問題ありません。もちろん多くの水はNGとなりますのでお気をつけください。

加工方法により仕上がりの異なる革、是非それぞれの特徴をご確認いただき、お好きな革をご選択ください。

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