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COLUMN コラム

木の見立てから始まる、家具づくり

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「木取り」とは、製品の完成形をイメージして板材から大雑把に部品を切り出す工程の事です。デザインは既にこの工程から始まっていると言っても過言ではありません。HIROSHIMAアームチェアの場合、顔になる部分は肘から背もたれにかけての「もたれ組み」と呼ばれる部分ですが、ここにマルニならではのこだわりがあります。

木本来の色ではなく着色をするのであれば、木目などは気にする必要はなく、もっとシンプルです。しかしHIROSHIMAアームチェアはクリアな塗装が多いため、木目や木の質感などが品質に大きく影響します。そのため材料は同じ種類の木であれば何でも良いという訳ではなく、可能な限り左右の肘や背もたれの木目が対称になる様に、材料を選別しています。この材料選別は簡単そうに見えて実は熟練した職人の経験、カン、センスなどが求められます。板材を加工する前に、加工した後の木目を予測しないといけないからです!決して数値化できないこうしたノウハウは何十年も家具を作り続け、代々受け継がれてきたマルニのこだわりであり、簡単には真似できない強みでもあります。

人は無意識に左右の木目が違いすぎると違和感を覚えます。我々は永く愛着を持ってご使用いただくために、木の木目すらデザインをしています。

木は天然素材であり、同じ木でも同じ木目は一つとしてありません。そんな素材を工業製品として量産化することは矛盾と葛藤の連続ですが、そこに面白さや醍醐味があります。次回のProfessionalではまたマニアックなこだわりをご紹介いたします。どうぞお楽しみに。

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2018/9/3

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