無垢板と突板の違い
みなさんも家具選びの際に無垢材、突板(つきいた)という言葉を耳にしたことがあると思います。マルニコレクションで使われている木材にも、無垢と突板があります。「無垢は良い家具」「突板は安い家具」というイメージを持たれているお客様を多く接客いたしますが、実際にはそれだけではないメリット・デメリットが両方にあります。今回は、この2つの違いをご紹介します。
無垢材とは
「無垢材」とは、その言葉の通り加工をしていない木材のことです。木を切り出した板をそのまま使用しています。
木は育ってきた環境や年月により木目の出方は1つ1つ違います。人間でいえば指紋のようなもので、全く同じものはありません。美しい木目との出会いも無垢材の楽しみのひとつで、また使いこむほどに風合いが増し味わい深くなっていきますので経年変化を楽しむこともできます。傷や汚れがついても、削り直しなどの補修が可能な点は大きなメリットです。
修理やメンテナンスを丁寧におこなうことによって、世代を超えて受け継ぎながら長く家具をお使いいただくことができます。
一方、無垢材のデメリットは反りや割れが出ることがある点です。自然界にあった時と同じく、木材になってからも木は呼吸をしています。空気中の水分を含んだり放出したりしながら呼吸をすることで、木材に割れや反りが発生します。そのため、家具を製作する際にはしっかりと乾燥させ、反り止めなどの工夫を凝らし、反らないように仕上げる必要があります。
マルニ木工の無垢材のテーブルにもしっかりと反り止めの工夫が施されています。
突板と比較して、重量があり価格が高めな点もデメリットとして挙げておきます。
突板とは
突板は木材を薄くスライスしたもので、芯材と呼ばれるベースとなる木材に突板を貼り付けて表面を美しく仕上げたものが突板の家具と呼ばれます。
薄くスライスすることで、反りにくくなります。
また、木目がデザインに影響することは多く、木目の違いでイメージが変わってしまう可能性があります。突板は無垢材と比べて木目を合わせやすいので、イメージに近い見た目で量産が可能になります。また突板は一般的に、木材の美しい部分を優先的に使用するといわれています。
突板を選択することでデザイナーの意図する木目を貼ることが可能になり、木目をデザインとして生かすこともできます。ここが無垢材との大きな違いになります。突板は加工しやすく、模様張りなどの装飾に向いているのが大きなメリットです。
マルニ木工のクラシック家具にも、突板貼りで天板に模様をあしらった美しい家具があります。
そして無垢材と比較すると軽量で安価になります。
デメリットとしては、深い傷がついたときに下地が見えることがあり、補修・削りには限界があることです。
昔からデザインや家具の種類、木材の違いによって、無垢材、突板それぞれの良さを生かしながら家具が造られてきました。それぞれのメリット・デメリットを考え、これからの家具選びの参考にしていただければと思います。
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