マルニ木工 × minä perhonen vol.2 ひとつの椅子から生まれた、ものづくりの縁
マルニ木工とminä perhonen(ミナ ペルホネン)。
わたしたちが出会ったのは、2013年秋に開催された「ISETAN DESIGN WEEK ふしとカケラ MARUNI COLLECTION HIROSHIMA with minä perhonen」でのことでした。
「ふし」とは、幹の中に包み込まれた成長時の枝が、木を加工した時に現れる部分のこと。一方「カケラ」とは、ファブリックを裁断した際に出る余り布のことです。
長い時間をかけて育まれ、たくさんの人の手を経て形になった家具と布。
“ふしとカケラ”では、その時間を大切に受けとめ、さらに手間を重ねて一脚の椅子をかたちにしました。
節などの個性のある木材と、minä perhonenのハギレをパッチワークして一枚の座面に仕立てて組み合わせたHIROSHIMAアームチェア。それは、それぞれの人にとって特別な一脚との出会いになりました。

この「ふしとカケラ」が、皆川 明さんとのご縁のはじまりでした。
そして翌年に発表されたインテリアファブリック-dop-から、本格的な取り組みが始まりました。
マルニ木工では家具の修理を行っています。
40~50年経った家具でも、木の部分は十分な強度を保ち、塗装の剥がれも時間がつくる味わいとして受け入れられます。一方で、座面の張地は「ほころんでしまった」ものとして張替えられることが多くあります。
木が家具になった後も何十年も生き続けるように、布もまた、その時間に寄り添っていけたら。
木が経年変化するように、布もまた時間を長く積み重ねて、味わいをもって変化していく。そんな楽しみを込めて生まれたのが、-dop-です。
皆川さんは、-dop-を発表された際に、家具で本格的に取り組む最初の相手として、マルニ木工を選んでくださいました。

「FATHER IS BLUE, SON IS YELLOW」
父の代で青色だった布が、息子の代では少しずつ黄色くなっていく。
木に比べれば、布は物性的に弱い素材です。
けれど-dop-はお洋服のようにふんわりした質感でありながら、木に寄り添うような耐久性をあわせ持っています。
20~30年という暮らし時間の中で、座った人の癖や暮らしの跡を映しながら、少しずつ新しい色が現れていく。そんな楽しみを想像しながら、これからともに過ごす大切な家具を選ぶ。その時間自体が、すでに豊かさの一部なのかもしれません。
「まずはマルニさんと始められたら、いつか-dop-というプロダクトの始まりを思い出す時に、きっとうれしい記憶になると思いました。」
-dop-をはじめて張った2014年10月の展示会のトークイベントで皆川さんが語ってくださった言葉です。
マルニ木工とminä perhonenは、インテリアとテキスタイルという異なる領域でありながら、100年後を想いながらともにものづくりを続けています。
不思議なことに、創業日も同じ、5月22日。そんな共通点にも、二つのブランドを結ぶご縁を感じます。
この出会いをきっかけに始まった取り組みは、10年以上を経た今も、穏やかに続いています。




