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COLUMN コラム

【連載 &Furniture】緑とともに風景を育てる

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暮らしのさまざまなシーンと家具との関係を考える連載「&Furniture」。第二弾は、南青山の生花店、ル・ベスベのオーナー、松岡龍守さんに、木と緑に囲まれた豊かな空間の作り方についてお話を聞きます。

青山の裏通りにある花屋「ル・ベスベ」。大都会のどまんなかとは思えないほど、光と風に揺れ動く植物が建物をやさしく包み込み、見ているだけで心安らぐ素敵な空間が広がっています。

「この場所にお店を構えて25年。仕事を通して、たくさんの草花と触れ合いながら、ゆっくりと時間をかけて一緒に育ててきた空間です」

そう話すのは、オーナーの松岡龍守さん。これほどまで緑が満ち溢れる空間を維持するのは、相当たいへんなことではないだろうかと想像してしまいます。

「草花は生き物ですから、みなさんご存知のとおり、太陽の光と水が必要不可欠なことはたしかです。でも、あまりにも敏感になりすぎて、1日に何度も水やりしてしまうなど、過保護に育てるのは植物にとっても迷惑なこと。植物の手入れは、適度な塩梅をもって楽しむことが第一だと思います」

お店の植物の管理はほかのスタッフが手伝ってくれるものの、出張や旅行で自宅を留守にするときは、1週間〜10日ほど水やりができないことも。でも、土のなかの水が足りなくても、大抵の植物は体のなかの水分を使ってしばらくは生きることができると松岡さんは断言します。

「本当にダメなときは、植物も自分からサインを出してくれます。葉っぱの色が少し薄くなったり、黄色っぽくなったときこそ、水切れの証拠。『ごめんね』と声をかけながらケアしてあげれば、すぐに元気を取り戻してくれるでしょう。
こうして、きちんと植物の表情や反応を見てあげることが大事。経験を重ねれば、わずかな変化に気づくことができ、対処法もおのずと身に付く。そうすれば、どんどん気持ちも前向きになってきます」

木製家具もグリーン同様に、同じ自然から生まれたもの。互いの相性は抜群ですが、どちらも置物のように固定化したまま放置してしまうと、どんどん家の景色がつまらなくなってくると松岡さんは話します。

「植物の生育が芳しくなければ、部屋の間取りや光の入り方を考慮しながら、ほかのものと場所をスイッチしたり、向きを変えるなど、アレンジしてみる。ダイニングテーブルの上に季節の花を飾り、ソファ脇には少し高めな植木を設置。目隠し代わりにシダ植物を天井から吊るしてみる。

模様替えする感覚で、家具と植物の組み合わせをいろいろとチャレンジしてみるのも良いでしょう。容器も植物専用の鉢や花瓶だけでなく、使い古したコップや鍋、お気に入りのカゴや木箱など、既成概念に囚われることなく自由に試してみる。家の様子に目が向くほどに、毎日が生き生きと心躍るものになるはずです」

松岡さんが言うように、家具も置き場所や向き次第で、大きく部屋の印象も変わります。きちんとつくられたプロダクトと一生付き合うためには、植物のように、ともに育っていく感覚が必要かもしれません。

年月とともに味わいを増す木の家具の経年変化を楽しみつつ、気になるキズや支障のある傷みに関しては適宜プロに修理を依頼。好みの変化に合わせて、ファブリックの張り替えを検討してみてもいいでしょう。

マルニ木工では、経験豊富な職人たちによる家具の修理も承っています。ご希望の方は、こちらまでご連絡ください。

photo_ Ayumi Yamamoto
text_ Hisashi Ikai
cooperation_ Le Vésuve

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