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2021/8/12

プロダクトストーリー Roundishアームチェア @

「この椅子は一枚の帯状の薄い板をぐるっと巻いて繋げたような椅子である。
座るとからだがすっぽりと包み込まれるような感じが心地いい。
ラウンジチェアとしてもダイニングチェアとしてもやわらかくくつろぐことができる。」

この椅子をデザインした深澤直人さんの言葉です。

Roundishアームチェアは人気のRoundishチェアの発表から7年後の2018年に誕生しました。 デザイン画が上がってきた時、シンプルながら制作する上でとても難易度が高いことは明白でした。

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「プライウッド(成形合板)でしかできない3次元の椅子」

Roundishアームチェアは1枚の成形合板を接合しています。 この接合部分は座面中央に位置し、隙間や段差が発生することで座り心地に大きく影響します。 接合部分はこの椅子を制作する上で、最大の難所だったと言っても過言ではありません。
深澤さんとの打合せの際に「プライウッドでしかできない3次元の椅子」という言葉がありました。 裏を返せば、「プライウッドでは実現可能な椅子」という事です。

難易度の高い(今まで見たことのない)成形合板の使い方を、 デザイナーが(マルニ木工なら)実現可能と出てきたデザイン画を実現させたいという思いから、 試行錯誤の日々が始まりました。 薄くスライスした木材を積層し、3次曲面に曲げながらなめらかに接合するには非常に高度な技術が必要です。

厚みの薄いプライウッドに木の脚をどのように取付けるかという事は、 大きな課題のひとつでした。 椅子の強度を確保する為に、脚を何らかの方法で補強する必要がありました。 脚の取付け箇所に大きな部品を追加すれば簡単に補強する事ができますが、 そうするとせっかくの美しいデザインが損なわれてしまいます。 そこでしっかりとした強度を保ちつつ出来る限り目立たない補強方法を探しました。 試行錯誤の末、鉄板に木の脚を固定しその鉄板を成型合板に取付ける事で美しさと強度を 両立することができました。

こうして生まれたRoundishアームチェアの印象をスタッフに確認すると、様々な意見が出ます。 優美、独特、可愛らしいなどです。 全体を緩やかな曲線で結ぶことで、優美な雰囲気を醸し出しつつ、 成形合板一枚で成形した形は背もたれや肘掛といった一般的な椅子の概念を覆す独特な形をしています。 それでいて全体的に丸みを帯びた可愛らしい形。見る人によりこのように異なる印象を与える椅子は、 余り類を見ません。皆さまはこの椅子にどのような印象を持たれますか。

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