【木とHIROSHIMA】 木の美しさを形に — 機械と職人の技が融合したHIROSHIMAアームチェアの製作過程
私たちの家具は、木材という素材から生まれ、ひとつひとつ丁寧に作り上げています。
木材の魅力を最大限に活かしながら、「工芸の工業化」をモットーに、機械による加工技術と職人の手仕事を融合させ、複雑で美しいデザインを安定した品質でお届けできるようモノづくりをしています。
ここでは、その木材の選定からHIROSHIMAアームチェアができるまでの過程をご紹介します。
木材
私たちの家具に使われる木材は、すべて信頼のおけるサプライヤーから板材として供給された天然の木材を使用しています。
家具づくりで大切なのは、家具に適した木材になっているのかという点です。住環境の平均的な気温と湿度に合わせた水分量(含水率)を8~11%にしておくことで木材の状態を安定させ、狂いが少なく長く使える家具となります。
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木取り
製品の完成形をイメージして板材から部品に切り出す工程のことを「木取り」と言います。
木目が見える塗装も多いため、木目や木の質感などが製品の品質に大きく影響します。そのため同じ種類の木であれば何でも良いという訳ではなく、可能な限り左右の肘や背もたれ木目や色味が揃うように選別しています。
この選別は簡単そうに見えて実は熟練した職人の経験、センスなどが求められます。
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背もたれと肘の接着
背もたれと肘は体をしっかり支えるとても重要な部分です。
まず、もたれ下と肘をフィンガージョイントで接着し、約2~3時間養生します。その後、強度を上げるため、もたれ下と肘の接合部分の上にもたれ上を接着し、締め金具で圧力を掛けたまま接着剤が完全に硬化するまで一晩養生します。
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機械による削り加工
マルニ木工には熟練の技を持つ職人もいますが、CNC(数値制御)加工機をまるで職人の手のように自由自在に操る「職人技を数値化する職人」がいます。
HIROSHIMAアームチェアの背もたれの加工には5軸CNC加工機を使います。これは幅・奥行き・高さ・傾き・回転の複雑な動きを実現するために高度なプログラミングが必要です。
加工に合わせ、10種類以上の刃物を使い分けながら木を削っていきます。
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職人の手による磨き
現代ではロボットのみで磨き作業を行うことも可能になってきましたが、HIROSHIMAアームチェアのように全体に滑らかな曲線が施されているデザインでは人の手作業が欠かせません。
快適な椅子には座り心地はもちろん、触り心地も重要な要素と考え、細部まで滑らかな質感に仕上げるために、職人による丁寧な磨き作業を行っています。
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塗装
磨き加工を経て節や割れの基準をクリアしたHIROSHIMAアームチェアは、職人の熟練した感覚によって均一な塗装が施されます。
塗装の役割は色や質感を付けるだけではなく、塗装の工程で木の導管を埋めることで、木材の変色やゆがみを最小限に抑えることができます。
こうした塗装仕上げを経て、皆様のもとに届くHIROSHIMA アームチェアになります。