宮島レ・クロ/広島
宮島で繋がった、ふたつの夢。
世界遺産の嚴島神社を擁する、広島県宮島町。
観光客で賑わう商店街から一本山手に入ると、古くからの民家の間に小さな商店が点在する、そぞろ歩きにぴったりの静かな通りに繋がります。この通りの中ほどに、白壁の古い邸宅をリノベーションした欧風料理のレストラン&カフェ「宮島レ・クロ」があります。
この建物、実はマルニ木工を創業した山中家の生家なのです。
1912年(明治45年)に建てられた邸宅の意匠には、明治に日本で花開いた西洋のエッセンスが取り入れられ、和作りの家に美しく調和しています。いつの日か、広島に来られたお客様をご案内できるゲストハウスにできたらと思っていました。
のちの宮島レ・クロのオーナーシェフ・黒越氏も、世界中から観光客が訪れる宮島で、本格的な料理を楽しめるお店を出すことを長年の夢とされていました。
ある日何気なく訪れたマルニのショールームで、とある椅子に『求めていた以上の椅子』と一目惚れ。その後ご縁が繋がり、マルニ木工の始まりの場所であるこの邸宅は、建築当時からの調度品を生かした趣深い空間のレストランへと生まれ変わりました。
瀬戸内の食材を、この店ならではのお料理で。
店内に入ると、落ち着いた照明に窓から臨む日本庭園がひと際美しく映えて、これからいただくお料理への期待が高まります。
ランチは、瀬戸のお魚・ハンバーグ・パスタ・牡蠣フライの4種から選べる1,700円のセットから、ちょっと贅沢な広島牛のステーキランチ、更にアラカルトのメニューもあり、お手頃な価格から、旬の地場食材を中心にした素材を本格的な欧風料理で味わうことができます。地元民にも高級品である広島名産の穴子も、こちらでは定番の穴子重の他に、フワフワの身がたっぷり入ったパスタやグリルなど、一味違ったメニューで美味しくいただけます。
スイーツメニューも充実しており、気軽にカフェタイムで利用できるのも嬉しい。また、お席の予約もできるので、大切なゲストとのディナーにもおすすめです。
和の空間にも馴染む、美しい佇まい。
お店で使用いただいている椅子は、マルニ木工の代表作のひとつ、「HIROSHIMAアームチェア」。背もたれから肘にかけての柔らかい曲線は職人がひとつひとつ丁寧に磨いて仕上げており、背中を優しく抱きとめられるような掛け心地は、一度座ると離れがたくなると評判です。シャープなラインの中に木の持つ温かみが溢れるこの椅子は、日本家屋特有の陰影のある空間や建具にもしっとりと馴染み、食事のひとときをより心地良いものにしてくれます。
宮島散策で疲れた体を椅子にゆったりとあずけながら、旬を大切にするシェフが工夫を凝らした、今ここでしか味わえない料理を堪能できる「宮島レ・クロ」。広島に来られた時には、ぜひ一度お立ち寄りください。
きっと、季節ごとに訪れることを心待ちにする、とっておきの一店になります。
コラムはメールマガジンでも配信しております。
メールマガジン登録はこちらから
2018/12/06